自分の昔の起業に対するイメージは
「起業=脱サラ=背水の陣」
で、自分には到底無理だと思っていました。
実際、何も準備しないで会社を辞めてひとり社長になっていたら、すぐに会社に戻っていたかもしれません。
戻らなくてよかった理由の1つは、妻が正社員として働いていたからです。
夫婦共働きというリスクヘッジ
20代半ばで結婚してからずっと夫婦共働きです。
妻が育児休業で休んでいたときももちろんありますが、育児休業給付金が出るのでその間も収入源は常に最低2つありました。
もし自分が会社を辞めて起業に失敗しても、妻の稼ぎがあります。
いきなり世帯収入がゼロになることはありません。
さらっと書いてますが、退職した当初、精神的にはめちゃくちゃ安定しました。
もし妻が専業主婦だったら
「なんとしてでも稼がなければ」
と、自分は逆に空回りしていた気がします(そもそも退職していなかったでしょう)。
夫婦で異なる業種だと効果が大きい
投資の世界では
「卵は1つのカゴに盛るな」
と言います。
私は、「収入源」についても同じことが言えると思っています。
あえて言うなら
「ニワトリは1つの檻(オリ)に入れるな」
でしょうか。
2羽のニワトリがいる1つの檻が燃えてしまうと、2羽ともやられます。
しかし、別々の檻に入れておけば、1羽は生き残ります。
夫婦で会社をする「ふたり会社」という形態もあります。
税金面でも、役員報酬を夫婦で出す(所得分散)ができる節税メリットがあります。
しかし、リスクヘッジという側面では危ういところがあります。
その会社の事業がうまくいかなくなると、夫婦の役員報酬を出す元がなくなるからです。
妻が公務員や大企業の正社員だと強力
また「起業」はリスクが高いです。
この対極は「公務員や大企業の正社員」だと思っていますが、相対的にリスクが低いと言えます。
夫が起業するときに、妻が公務員や大企業の正社員だと心強いです。
投資に例えるなら
- 起業⇒個別株でハイリターン狙いの投資
- 公務員や大企業の正社員⇒債券で堅実な投資
でしょうか。
分散投資の基本は、「値動きが異なるもの」を組み合わせることです。
収入源を夫婦で分散するときも、似たようなことが言えるのではないかと考えます。
自分がいた中小企業は
- 基本給が少なくて残業代は必須
- ボーナスは自分の成績次第で不安定
- 福利厚生はふつう
- 退職金はない
というところでしたが、
妻の勤務先は
- 基本給が多い
- ボーナスは安定して出る
- 福利厚生は手厚い
- 退職金制度も充実
とめちゃくちゃいいです。
結果、
- 自分:起業して家事育児もがんばる
- 妻:フルタイムで仕事をがんばってもらう
という役割分担になりました。
公務員や大企業の正社員は男女間の給料格差が小さいことが多いので、こういうパターンを選べたとも言えますが。
世間的には少数派ですが、まあ、そういう働き方もありますよ、という例の1つになれば幸いです。