自分が会社員時代からずっとやっているのが「経営コンサルタント」という仕事です。
世の中にはいろんな「○○コンサルタント」がいますが、共通しているのは
相手の悩みを解決してお金をもらう
という点です。
・・・というより、これはビジネス全部に共通した考え方です。
すべてのビジネスは悩み解決業
例えば街のパン屋さんだって
「美味しいパンを売る」
のではなく
「自宅では簡単に作れない焼き立ての美味しいパンを提供してお金をもらう」
のが本質です。

相手の悩みである
- 自宅でパンを作りたいけど設備がなくて作れない
- 自分で本格的なパンを作るのは面倒
- 自分で早起きして朝からパンを焼くのは面倒
- 自分で作っても美味しくできない
といった悩みを「パンを売る」ことで解決しているのです。
だから私は
「すべてのビジネスは悩み解決業」
と考えています。
コンサルタントはそのわかりやすい1つの職業・肩書きにすぎません。
農業も製造業もサービス業も、全部誰かの悩みを解決してお金をもらっています。
他にもコンテンツライターの仕事もしていますが
「社内でコンテンツを作れる専門性の高い人材がいない」
という相手の悩みを解決してお金をもらっています。
ちなみに相手の悩みの本質を理解すると、報酬単価も上げやすくなります(相手が欲しくてたまらないから)。
そうすると、最初にやらないといけないことは
「相手の悩みをどうやって聞き出すか?」
になります。
相手の悩みさえ分かっていれば、あとはそれを解決してお金をもらうだけだからです。
聞き出すときに使えるのがある魔法の質問です。
相手が「悩み」を勝手に話してくれる魔法の質問
もったいぶらずに書くと
「○○さんには悩みなんてないですよね?」
という質問です。

「悩みがありますか?」
で悩みがスラスラ出てくるなら、この質問は不要です。
でも、実際には悩みがあっても「ない」と答えることがあります。
だから
「悩みなんてないですよね?」
と聞くわけです。
この世に悩みがゼロの人なんてまずいません。
自分の経験上、高い確率で悩みを聞くことができます。
当然ですが、ある程度コミュニケーションが成立している前提です。
成立していなければ、そもそも何を聞いても難しいです。
ちなみにこの質問、年間報酬3000万円超えの経営コンサルタント、和仁達也さんも本の中で紹介されています。
「社長、これだけ順調にいっていると、悩みなんか、ないですよね?」
そう尋ねると、ほぼ決まってこういう返事が返ってきます。
「いやいや、そんなことないんですよ。結構、いろいろ大変なんだよ」と。
それで、「と言いますと?」と尋ね返す。
すると、そこからは、今までめ滅多に人に語ることがなかった悩みごとの独白会に代わるんです。
出典:和仁達也『決定版 年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書』
「でもそれって社長が相手のときだけじゃない?」
と思うかもしれません。
私は相手が社長以外でも、この質問を
「相手に合わせて変化」
させて、悩みを聞いてきました。
魔法の質問を相手に合わせて変化させる
1番簡単な方法は
「相手に合わせて聞く範囲を絞る」
ことです。
ざっくりしすぎていて範囲が広いと、相手が思いつかない場合があります。
「今日の晩ごはん、何食べたい?」
より
「今夜は鶏肉を使った料理にするけど何が食べたい?」
と「鶏肉」に限定して聞いた方が相手が答えやすいです。
考えやすいように範囲を限定します。
例:相手が社長
- 「資金繰り」に悩みなんてないですよね?
- 「集客方法」に悩みなんてないですよね?
- 「社員の採用」に悩みなんてないですよね?
例:相手が会社員
- 「職場の人間関係」に悩みなんてないですよね?
- 「仕事内容」に悩みなんてないですよね?
- 「今の給料」に悩みなんてないですよね?
例えば私は特に「お金の悩み」を解決するのが仕事なので、お金関連の範囲に絞って質問します。
まずは自分の解決できる範囲に絞って質問してみましょう。
「悩み」の部分は「問題」や「ストレス」という言葉に置き換えてもOKです。
表現は相手に合わせて変えてみてください。
相手に「響く」質問のしかたがあるはずです。
先ほど紹介した本にも次のような言葉があります。
人は皆、自分のことには関心がある。
だから、起点は常に他人ごとではなく自分ごと、つまり見込み客自身の関心事を起点にして話をするのがポイントです。
出典:和仁達也『決定版 年間報酬3000万円超えが10年続くコンサルタントの教科書』
大事なことは「相手」のことを聞く姿勢です。
お金を払ってまでその悩みを解決したいか?
悩みが分かったら、次は
「相手がお金を払ってまでその悩みを解決したいか」
を考えます。
解決してもお金がもらえなければ、それはビジネスにはなりません。
しかし、意外とタダ働きで終わっているケースがあります。
1つの悩みにこだわらず、いろんな悩みを聞き出して、ビジネスの種を育てていきましょう。
最後に
今回は
「○○さんには悩みなんてないですよね?」
という相手が「悩み」を勝手に話してくれる魔法の質問をご紹介しました。
自分自身が既にやっている仕事も
「この仕事は誰のどんな悩みを解決しているのか?」
と考えると、新しい発見があります。
もしかすると
- 相手の悩みを解決する「他の方法」があるかもしれません。
- 相手が解決したい「本当の悩み」とズレているかもしれません。
- その解決方法は「他の人の悩み」も解決できるかもしれません。
もし
「悩みを聞いたけど、自分には解決できないからムリだ」
と思うなら、「できる人」を紹介して、紹介料をもらうことだってできます。
私はアフィリエイトもやっていますが
「相手の悩みを解決できる商品やサービスを紹介して、広告主から間接的にお金をもらう」
のが本質だと考えています。
これもまた、相手の悩みを解決することにつながります。
<今回紹介した本>
中身はコンサルタント向けの営業の本ですが、「すべてのビジネスは悩み解決業」だと考えると、コンサルタント以外でも役に立つ部分があります。